このページでは、地震発生直後に管理組合が行う共用部分の安全確認、情報収集、設備の使用停止、安否確認、対策本部運営を扱います。在宅避難の生活方法、備蓄数量、防災訓練の設計は、それぞれの専門ページで扱います。
1.防災体制の基本設計
- 理事会とは別に、発災時の指揮責任者と代行順位を定める
- 本部、建物確認、情報、救護、要配慮者対応の機能を分ける
- 昼間・夜間・休日ごとに参集可能性を想定する
- 居住者協力者を階・棟単位で登録する
- 役員交代後も機能する役割カードと連絡網を整備する
2.発災から30分以内の優先行動
- 自身と家族の安全を確保する
- 火災、ガス臭、漏水、外壁落下など二次災害を確認する
- エレベーター閉じ込めの有無を確認する
- 受変電設備、給水・排水設備の異常情報を集める
- 危険区域への立入禁止措置を行う
3.設備使用停止の判断基準
排水管の損傷が確認できない間は、トイレ、浴室、台所の排水を一時停止する運用をあらかじめ定めます。給水、エレベーター、機械式駐車場、オートロックも、点検完了までの使用可否と解除権限を設備別に文書化します。
4.情報伝達を一系統にする
- 掲示板、館内放送、メール等の優先順位を決める
- 確認済み情報と未確認情報を区別する
- 発信時刻、発信者、次回更新時刻を表示する
- 日本語が十分でない居住者向け定型文を用意する
- 行政・消防・管理会社・保守会社の連絡先を紙でも保管する
5.安否確認と個人情報管理
安否表示カード等で「救助必要」「無事」「不在」を把握し、救助要請を優先します。要配慮者名簿は利用目的、閲覧者、保管場所、更新方法を定め、災害時に必要な範囲で使用します。
6.初動記録の様式
発生時刻、被害箇所、設備停止、通報先、指示内容、対応者、写真番号を時系列で記録します。記録は復旧工事、保険請求、行政報告、対応検証の基礎資料になります。
7.初動計画の完成条件
担当者名だけでなく、代行順位、判断基準、使用する帳票、鍵と資器材の場所、外部連絡先まで一枚の行動表で確認できる状態を目標とします。
8.現状診断チェック
- 防災組織と代行順位が文書化されているか
- 設備ごとの停止・再開権限が決まっているか
- 安否確認を開始する震度・条件が明確か
- 夜間・休日でも鍵と帳票へアクセスできるか
- 外部連絡先が年1回以上更新されているか
9.整備工程のモデル
- 第1段階:建物・設備・既存マニュアルを調査する
- 第2段階:初動業務と判断基準を一覧化する
- 第3段階:階・棟別の担当と代行者を選定する
- 第4段階:帳票・掲示文・行動カードを作成する
- 第5段階:机上訓練で検証し理事会承認を得る
10.管理すべき成果物
- 初動対応フロー
- 設備停止・再開基準表
- 緊急連絡先一覧
- 被害・対応時系列記録票
- 安否確認集計表
- 対策本部配置図
参考:内閣府防災情報/首都圏各自治体の防災・マンション管理情報
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。制度、法令、契約、建物・設備の状態は個別にご確認ください。