このページでは、建物の安全が確認された後に自宅で生活を継続するための判断と運用を扱います。備蓄品の数量・保管方法は「防災備蓄」、発災直後の共用部対応は「防災体制と初動対応」で扱います。
1.在宅避難の可否を三段階で判定する
- 地域:避難指示、火災延焼、津波、洪水、土砂災害の危険がないか
- 建物:傾斜、柱・梁、外壁、階段、設備に重大な異常がないか
- 住戸:家具転倒、ガラス、火災、ガス、居住者の健康に危険がないか
2.判定主体と情報源
建物の安全性は居住者の感覚だけで断定しません。行政、消防、応急危険度判定、管理組合の共用部確認、設備保守会社の情報を組み合わせ、未確認事項は「安全」と扱わない運用にします。
3.断水・排水停止時の生活運用
- 飲用水と生活用水を区分する
- 排水許可が出るまで水洗トイレ、台所、浴室を使わない
- 携帯トイレの使用場所と使用済み袋の密閉方法を決める
- 汚物と生活ごみの仮置場・搬出動線を定める
- 給水再開時は濁り水と設備異常を確認する
4.停電・エレベーター停止中の運用
- 共用廊下・階段の照明範囲を確認する
- 高層階への物資運搬時間と重量上限を決める
- 冷蔵を要する薬、在宅医療機器の代替電源を個別確認する
- オートロック停止時の防犯配置と入館確認を定める
- 充電場所を設ける場合は利用時間・対象・火災対策を決める
5.避難所・地域支援との接続
在宅避難者も行政の物資・情報・医療支援の対象になり得ます。指定避難所の受付方法、給水拠点、物資配布、災害用伝言サービス、自治体への在宅避難者情報の伝達方法を事前に確認します。
6.避難へ切り替える基準
- 建物・設備の危険が新たに判明した
- 火災・浸水等の地域危険が拡大した
- 飲料水・衛生環境を維持できない
- 医療・介護を継続できない
- 行政等から退去・避難の指示が出た
7.住戸別生活継続計画
高齢者、乳幼児、ペット、在宅医療、食物アレルギー、外国人世帯では必要条件が異なります。管理組合の共通ルールと、各世帯が作る個別計画を分けて整備します。
8.生活継続力の診断
- 給水停止時に各住戸へ情報が届くか
- 排水禁止を多言語・視覚表示できるか
- 高層階の移動困難者を把握しているか
- 在宅医療・介護世帯の代替計画があるか
- ごみ・汚物の仮置場を確保できるか
9.在宅避難運用表
電気、水道、ガス、排水、エレベーター、通信の状態ごとに、使用可否、居住者行動、確認担当、次回判定時刻を一覧化します。
10.切替え訓練
在宅避難を継続できない想定を設定し、避難先の選択、要支援者の移動、戸締まり、持出品、行政への情報登録までを机上で検証します。
参考:内閣府防災情報/首都圏各自治体の防災・マンション管理情報
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。制度、法令、契約、建物・設備の状態は個別にご確認ください。