大規模修繕工事の失敗は、価格だけでの選定、曖昧な工事範囲、追加工事の承認ルール不足、検査記録の不足などから生じます。着工前に判断基準を決め、節目ごとに記録を残します。
1.契約前の確認
- 建物診断と工事範囲の根拠がある
- 各社の見積条件と数量がそろっている
- 追加・変更工事の単価と承認方法が明確
- 保証、瑕疵保険、アフター点検を確認した
- 選定過程と利益相反を記録した
2.着工前の確認
- 工程表と居住者向け説明会
- 足場、防犯、火災、強風対策
- バルコニー片付けと洗濯物制限
- 騒音・臭気・在宅勤務への配慮
- 緊急連絡先と苦情受付方法
3.工事中の確認
- 定例会議の議事録を残す
- 下地補修など数量増減を写真で確認する
- 仕様変更は金額・工期・保証への影響を確認する
- 居住者への週間工程を周知する
- 事故・苦情と対応結果を記録する
4.完成時の確認
- 施工者・監理者・管理組合の検査
- 未完了・手直し事項の期限管理
- 完成図書、写真、材料資料の受領
- 保証書と点検時期の一覧化
- 長期修繕計画への実績反映
5.セカンドオピニオンの活用
疑問が生じた段階で、契約、設計、見積、追加工事など対象を絞って第三者に確認します。工事後より、契約前や変更承認前の確認が有効です。
6.工事中の品質管理記録
- 施工計画書・要領書の承認
- 材料搬入・ロット記録
- 下地補修数量と写真
- 中間検査・隠蔽前検査
- 不適合と是正確認
- 天候・作業・安全記録
7.追加工事の査定
追加理由が設計漏れか予見困難かを確認し、現場数量、契約単価、類似単価、諸経費、工期影響を査定してから承認します。
8.完成後の保証管理
工種別に保証期間、起算日、保証者、免責事項、点検時期を一覧化し、保証満了前に居住者アンケートと現地確認を実施します。
参考:国土交通省「マンション大規模修繕工事等の発注等の適正化について」
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。制度、法令、契約、建物・設備の状態は個別にご確認ください。